「紀州のドン・ファン」元妻、激やせ出廷 詐欺罪で初公判「私の体をもてあそぶために」
「紀州のドン・ファン」と呼ばれた資産家野崎幸助さん=当時(77)=を殺害したとして殺人罪などに問われた元妻須藤早貴被告(28)が別の男性から現金をだまし取ったとする詐欺罪の初公判が10日、和歌山地裁で開かれた。
殺人容疑で逮捕され否認後は黙秘していたという被告。この日の罪状認否では、小さい声ながらも「うそをついてお金を受け取ったことは事実だが、男性もうそと知りながら私の体をもてあそぶためにお金を出したと思う」とはっきりとした口調で述べた。弁護人は「男性は被告のことを心理的に支配したいために金を振り込んだ。錯誤に陥ったからではない」などと述べ、詐欺罪の成立を争うとした。
黒色のワンピースにオレンジ色のビニール製サンダルを履いて出廷。髪を腰あたりまで伸ばした姿は、かなり痩せた印象だった。
起訴状によると、被告は2015年3月から16年1月にかけ3回にわたり、札幌市の男性=当時(61)=から計約2980万円をだまし取ったとしている。検察側は冒頭陳述で、美容専門学校に通いながら勤務していたキャバクラの客だった男性に「学校で出場したコンテストでモデルの髪を傷めた」などと相談し、弁償金や海外留学費用などの名目で現金を詐取したとした。次回公判は17日。
野崎さんは致死量の覚醒剤を摂取させられ18年5月に死亡。被告とは2月に結婚し、毎月100万円の支払いが条件だった。だが被告は不在がちで、野崎さんは離婚の意思を漏らしていた。殺人罪は詐欺罪と分離して審理されるが、公判開始のめどは立っていない。
◇事件の経過◇
▼2018年2月 野崎幸助さんが須藤早貴被告と結婚
▼5月24日 自宅で野崎さんが死亡。死亡推定時刻は午後9時ごろ
▼26日 和歌山県警が容疑者不詳の殺人容疑で野崎さん宅などを家宅捜索
▼6月2~3日 県警が東京都内の須藤被告の自宅などを捜索
▼6日 県警が死因を急性覚醒剤中毒と発表
▼21年4月 県警が殺人と覚醒剤取締法違反(使用)の疑いで被告を逮捕
▼5月 和歌山地検が殺人罪などで起訴
▼6月 地検が別の男性に対する詐欺罪で追起訴
▼24年5月10日 詐欺事件の初公判で弁護側が起訴事実を争うと主張
◆おことわり 和歌山資産家殺害事件で起訴された須藤早貴被告は詐欺事件当時未成年(19歳)でしたが、殺人という重大事件の被告であることなどを考慮し実名とします。
2024年5月11日のニュース
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